木材運搬軌道跡発掘プロジェクト 第8回調査レポート
インクライン探索編
今回(2004年3月20日)は乾物屋と一緒に第6回調査レポートで告知していましたインクライン跡を探しにでかけました。
インクラインとは
INCLINEを日本語に訳すと"傾斜"です。ですから、インクラインレールウェイ(傾斜鉄道)が正確な表現となります。
日本では、琵琶湖疎水のインクラインが有名です。船が登坂できない坂をインクラインで引っ張り上げて水道の確保と船の交通を両立させたそうです。京都の地下鉄・蹴上駅の近くに今も記念に残されています。
高野山木材運搬軌道では、トロッコの軌道をショートカットし木材の切り出しを効率化するために採用したようです。
しかし、この後、インクラインが終息し軌道敷にかわったり、それも何度かルートを変更したりしていた形跡もあって痕跡を発見するのはたいへんな作業です。
第6回の調査で地元の方に教えて頂いた場所から川に向かって降下してみましたが、それらしい構造物が見つからず上流へ下流へとリバートレッキングで痕跡を探すことになりました。
あきらめかけた頃、予測していたポイントよりも下流側で橋台らしき構造物を発見。
しかし、両岸ともこの高さよりも数メートル高い位置に地面があり、ここに架橋したのではつじつまが合いません。
ただ、橋台形状の構造物の前には川の底に柱をうけるようなホールが複数開いている構造物もみつけることができました。

対岸の斜面には石積がありました。この奥にも同様に積んであって軌道のベースの様相です。
わかりにくそうなので、石積の境界上下を赤くしてみました。

インクラインの占有幅や川を跨いでいた位置などを特定するのが難しく、今ひとつ当時のイメージが浮かんできません。このあたりはGPS衛星の補足も難しく、再度、拡大した地形図とメジャー等を持参してみなければと考えています。

この斜面がインクラインではないかと思います。山に向かって右側の軌道かな?

途中で碍子を発見しましたが、インクラインのことを教えてくださった方は、手で巻き上げるような仕草をしながら説明してくれたのと、電動ウインチで巻き上げるにしても斜面の途中にモーターを配置するのもおかしいし。
これが山頂側の木材積替えスペースらしい空間です。竹林と樹木が混じっていることから植林されたと考えられます。
不自然な長方形の溝が掘ってありました。大型プーリーの設置場所か何かでしょうか。
奥の方にはケーブルが通りそうな穴の開いた構造物も残っていました。
上記構造物の上面にも複数の穴があいていました。
ウインチの設置台でしょうか?
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